物流課題ー送料各社値上げ?ー現状と今後の改善
最近、ヤマト運輸のAmazon当日配送撤退・配送料値上げ問題により、物流業界を賑わせています。そもそも、なぜこのような問題に発展したのか、まとめてみます。
今ニュースで騒がれている、物流業界で問題視されている事とは?
ドライバーの高齢化と労働環境
一昔前は高収入であったドライバー業ですが、現在は物流会社の数が増えた事で競争過多になり、利益率が低くなり賃金が低下たといわれています。また、長時間運転や重い荷運びという肉体的にキツイ労働であるがゆえ、若者が入ってこない状況で人手不足が深刻化しているようです。
※7/20時点で、佐川急便の残業代未払い問題が報じられている。
※佐川急便、ヤマト運輸、日本郵便など運送会社間でドライバーの引き抜き(取り合い)がされている。
物流業界各社の過剰サービス
Amazonのような大手通販サービスは、ライバル社に対して優位性を出すため「より速く、小口でも無料配送」にこだわってきました。
その負担を一身に受けたのが物流(配送)業界で、配送物はどんどん小口化し、また「急げば今日お届け」という無茶な過剰サービス?により配達員の負担は増加。しかも「再配達」制度により、何度も足を運ばなければいけなくなり、体力・時間・自動車燃料消費率上昇など、さらなる負担が増加したました。
※7/25時点で、ヤマトは荷物配送料(平均単価:270~280円※極めて低い価格)の1.7倍値上げと発送量を減らすよう、Amazonに交渉中。
積載率減少による効率悪化
本来ならば、運送用車両には荷物を満載すればするほど効率は良くなるが、効率的に配送する事よりも、スピードと即時性が重視されるようになり、車両の積載率はどうあれ、配送に出かけなければいけないという問題が発生しています。
また小口輸送が急増し必然的に積載率が下がっているといわれています。そのため車両の燃料代や人件費がかかるため無駄ばかりが多くなっているようです。
問題解決のための動きは?
現段階で解決できるような秘策はなく、少しでも従業員の負担とコストを減らすためにAIの活用をし始めたり、再配達防止策を何点か打ち出しているといったくらいです。
実際に活用されている例としては、
- Amazon Robotics
ロボット在庫管理システム:「商品の棚入れ」「棚出し」の自動化
- 再配達の受付時間を短縮
- 宅配ボックスの設置、また、コンビニやセンターで荷物を受け取る
問題改善の効果は…
AIの導入や宅配ボックス設置では、劇的な改善に及ばず、送料値上げの方向に各社動いているようです。
まとめ(今後)
劇的な改善はまだまだ先となりそうです。
AIの導入や宅配ボックス設置では劇的な改善に及ばず、送料の値上げ(従業員の賃金値上げ)とサービス範囲の見直しが一番有効的な改善策と追われます。現状、ヤマト運輸だけではなく、他運送会社の送料値上げも発表されています。
(2017年6月:郵便局、2018年3月予定:佐川急便)
今後、各社、送料値上げが見込まれており、その事を考慮して業務にあたる必要があります。また、運送会社の問題を考えると、高度なサービスを得たい場合は、その分のコストがかかるという認識のもと、選ぶ必要があります。
サービス・コストともに納得できる運送会社選びは、どの会社にとっても鍵となってくるのではないかと思います。
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