営業企画部 岡島です。先週の自民党総裁選で3選を勝ち取った安倍首相ですが、働き方改革の第2弾として「生涯現役時代への改革」を掲げています。そんなニュースに、一体あと何年働くのか!? そしてその先の年金問題は、なんて考えだすとモヤモヤしてきますが、多様な労働・雇用の拡大は素晴らしいことですね。
さて、その働き方改革の推進と人手不足の深刻化に対する一つのITソリューションとして、RPA がますます注目されています。
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは
RPAとは、バックオフィスでこれまで手作業で行ってきた仕事を、AIなどの認知技術を用いたRobotを取り入れ、業務を自動化して効率化を図る取り組みです。
「ロボット」といっても、Pepperくんや生産ラインで組み立てや運搬を行う物理的なロボットではなく、主にホワイトカラー業務をサポートする無形のソフトウェアロボットのことです。
簡単に言えば「ロボットがPC業務を自動化」ですが、RPAツール(ソフトウェア)をパソコンにインストールし、実際の業務の処理手順を設定するだけで利用可能。設定を実行することで、RPAツールが記録した手順に従い、人に代わってPC内で業務を遂行します。
専門的なプログラミングも不要、ITスキルが高くない人でも簡単に開発でき、ロボットで業務の自動化が実現というわけです。
RPAツールの種類
RPAは、サーバー型とデスクトップ型に分かれます。
一般的にサーバー型RPAは大規模での導入を想定し、デスクトップ型は クライアントPC上で動作する部署単位など、狭い範囲での導入が想定されます。
RPAを活用した運送業界の実験
今年7月 富士運輸株式会社が、運送業界の業務効率化のために、このRPAを活用した実証実験を開始されたというニュースがありました。
運送業界ではドライバー不足や長時間労働などが課題となっていますが、これらの解決に向け、AIとRPAを活用して、ドライバーの日報作成から事務員の確認業務、請求データ発行業務までの一連の業務を自動化するという検証です。
今年7月 富士運輸株式会社が、運送業界の業務効率化のために、このRPAを活用した実証実験を開始されたというニュースがありました。
運送業界ではドライバー不足や長時間労働などが課題となっていますが、これらの解決に向け、AIとRPAを活用して、ドライバーの日報作成から事務員の確認業務、請求データ発行業務までの一連の業務を自動化するという検証です。
出典元:日本経済新聞
上記はイメージ図ですが、配達ドライバーと AI が確認・報告をしあい、その先のPC業務の自動化を RPA で実現します。
ドライバーは、AIとの対話だけで、AI と PRA が連携して一連の業務が完了。これにより、ドライバーの日報作成を約80%、事務員の業務を約50%削減するという取り組みです。
なお、「RPA」はよく「AI」と混同しがちですが、全く異なるものです。
RPA
PC業務の自動化を行うツールです。AIのように分析や結果を導くことはできません。
AI
過去の情報や実績をもとに大量データを分析し結果を抽出することができます。ただし、あくまでも人口知能なので業務の自動化は行えません。
RPAの適用分野
RPAに適する対象の業務を分類してみました。
一般的に、量が多く内容がシンプルな作業に効果が期待されます。
RPAを適用しやすい業務の特性
・PCで完結する業務
・定期的に発生する繰り返しの多いルーチン業務
・ルール化することが可能な業務
ホワイトカラーの事務作業の多くが上記にあてはまりますので、RPAは将来事務作業の50%を担うと言われているようです。
さらに、前述のRPAとAIを組み合わせた物流業界の事例のように、今後はルーチンワークだけでなく、高度な意思決定まで代行できる可能性もでてきました。
RPAの活用シーン
つぎに、RPAで実現できることを、部署別にまとめてみました。一例です。
RPAのメリットとデメリット
メリット
・ヒューマンエラーを排除。見落としやミスがない。
・24時間、365日稼働も可能。定型業務にかかる工数やコストを削減。
・繰り返しの多い定型業務から解放され、付加価値の高い仕事にシフトできる。
デメリット
・決められた方法に従い自動的に処理していくが、決められたこと以外はできない。
・データの形式や構造によっては読みこめないものもあり、部分的な自動化にとどまる場合もある。
懸念されるリスクと課題
以上 メリットとデメリットをあげてみました。
導入に向けての課題としましては、作成にプログラミングは不要と言われますが、プログラミングの知識は不可欠でしょう。
例えばある業務でRPAのシナリオを書くスキルがある人がいたとしても、それを次の業務に再利用できるような人材の育成も必要です。
また、RPA業務がブラックボックス化していくことも想定されるため、運用のドキュメント化とメンテナンスも必要かと思われます。
photo credit:PhotoAc
RPAの顧客満足度調査、NTTデータが初代王者に
日経コンピュータの顧客満足度調査によりますと、働き方改革の切り札として注目を集めるRPAを初めてCS調査対象に加えたようです。
初めて1位を手にしたのは「NTTデータ」となりました。
出展:日経XTECH
40年後に約4割が高齢者になる日本で
さいごに、内閣府の高齢化の調査によると、日本の総人口は 2015年10月1日時点で 1億2,711万人。65歳以上の高齢者人口は3,392万人で総人口に占める割合は26.7%とのこと。
これが、40年後の2060年には、約40%が高齢者になると言われています。
出展:高齢化の現状と将来推計|平成28年版高齢社会白書- 内閣府
現状では、RPAと人間の業務を組み合わせることで、業務の品質・効率を大きく向上できる可能性が拡がっています。
また、将来RPAが人になり代わって、雇用がなくなるというわけではなく、どんどん生産人口が減る中で、必要なITソリューションとなるでしょう。
RPAが、将来的な人手不足の分野にどう組み込んでいけるか、そして、定型業務をなくして、本質的な業務に関わる時間を創出して生産性をあげていけるかが、まさにRPAの本質かと思います。
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